2008.12.17生活機器設計論・演習

課題7-2
ペットボトルに付加することで、新しいカチを生み出すものをデザインしてください。

昨今では、ペットボトルはリサイクル再利用する素材としていろいろなアイデアが展開されている。
しかし、全てが再利用されるアイデアは出てきていない。リユースされた上で、さらにリサイクルされるとよりカチは高まる。環境問題をあまり意識しなくとも、デザインすることで新しいカチを見いだすための素材として、ペットボトルから我々の生活を考える手がかりにします。

2008.12.17生活機器設計論・演習

課題「パスタ」
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パスタをデザインしてください。
条件:商品として販売されることを想定してデザインしてください。
また、今回も「造形」を意識して、カタチをつくることを中心に考えてください。
パスタは粉にした穀物から作るものなので、基本的にはどんな形であってもいいはずです。しかし「定まった形がある」「均一に熱の通る形」「ソースとからみやすい豊富な表面積」「工業製品として生産しやすい形」「おいしそう」など、様々な条件をもつ製品です。「パスタ」や「食べる」からはじまって、みなさんの思想や意識、表現したいことをパスタをとおして、説明してください。そしてそれは芸術でなく、工業製品としてのパスタのデザインとして提出してください
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建築とマカロニ―architects’ garden’95

http://www.ndc.co.jp/hara/home/macaroni/b/02.jpg http://www.ndc.co.jp/hara/home/macaroni/b/01.jpg http://www.ndc.co.jp/hara/home/macaroni/b/03.jpg http://www.ndc.co.jp/hara/home/macaroni/b/04.jpg

http://www.ndc.co.jp/hara/home/macaroni/index.html

2008.12.10生活機器設計論・演習

課題「ハンガー」
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デザインの大きな役割の概念として、「記述」と「表現」があります。
記述は客観的に問題や課題に対しての答や機能・性能をカタチで説明すること。
「表現」は主観や感覚・感性、効能をカタチで表すことです。
今回のイラストレーターはその二つの要素がありますが、とにかく基本となる幾つかの操作表現方法を覚えてください。


課題は、アイデアにもよりますが、今回はパースではなく図面的表現でいつものA3の最終提出版をメールで送ってください。いつもと同じように名称やコンセプト、部分詳細詳細図やスキャニングした手書きのスケッチを盛り込んでもかまいません。
イラストレーターサンプル

2008.11.26生活機器設計論・演習

課題「すべり台」
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造形と機能

遊具としてのすべり台は、基本的には登る機能と滑る機能があります。その二次機能として、登る時に必要な機能として、安全を確保する・登りやすいといった機能が付加されます。また滑るときは同様に安全を確保する機能、立ち上がるための機能などがあります。

また、携帯電話などとは違い同じものを何台もつくるというよりも、プロトタイプをつくって、現場や状況にあわせて、カタチを変える場合やある公園のためにだけデザインする場合もあります。

裏面のような、分析や機能分けを行ない発想の補助や発想の漏れなどがないかをチェックしていきます。
設計やデザインの段階により、方法は様々です。また、方法の複雑さ単純さも様々です。

今日は裏面のような表の考え方を利用しながら、アイデアチェックをしてください。これはデザイン実務の経験から、FUNCTION・PERFORMANCE・EFFCTをベースに考える方法を示していますです。
FUNCTIONは機能です。満たさないといけない機能を人間の行為の観点から細分化していって、一番小さな要素を見つけます。
PERFORMANCEは性能です。要素をつくるためにどの程度何が必要かを考えます。
EFFCTは効能です。細分化して機能と性能を見つけただけではデザインにはなりません。なにをしないといけないか、人間の気持ちや思いまた、統合的に全体を考える過程をふまないとデザインにはなりません。
これら3つのことが線形に進むわけではありませんので、いったり、きたりしながら考えていきます。

また、重要なのはこの方法を使うことが目的ではないということです。方法を利用してデザインすることが大切です。

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造形について
造形とはカタチをつくること。
デザインにおける造形の基本といえる要素は多くない。
これまでの経験に基づき、極めて単純であるが有用と考える重要な造形の5つの考え方・方法を示す。

ディビジョン(分割) アキュムレイション(集積)
あるカタチとあるカタチを「加減乗除」(方法)「和差積商」(結果)で考える。

あるカタチとあるカタチを「和差積商」で考えた場合の例
あるカタチを足したり引いたりすることのパラメーターを変えて、それら結果の変化からカタチを探す。

あるカタチとあるカタチを「加減乗除」で考えた場合の例

二つの形の関係は、重なる、接する、離れる、からなり、それぞれどの部分を形(図か地か)として認識するか、そのような捉え方でカタチをみつける。





システム(秩序)
要素や部分のカタチを様々な方法で展開するがそれはぶぶんであって、全体を形成するためには秩序が必要である。
システム(秩序)をつくるシンメトリーの基本方法は移動・回転・鏡映・拡大の4つである。

よって、シンメトリーの概念的種類は15種類でとなる

移動、回転、鏡映、拡大、移動・回転、移動・鏡映、移動・拡大、回転・鏡映、回転・拡大、鏡映・拡大、移動・回転・鏡映、移動・回転・拡大、移動・鏡映・拡大、回転・鏡映・拡大、移動・回転・鏡映・拡大

シンメトリーの基本方法によるカタチの例



バランス
 安定と不安定
 停滞感と力動感
カタチはその相対的な関係から印象や意図が変わる。
バランスの観点から、配置による変化を練習するためには、定形と定形の関係、不定形と不定形の関係、一つの定形の角度による変化から、バランスの観点と意図したイメージによる造形のパタンを幾つも出すことが練習になる。

定形と定形によるバランス構成の練習

定形と不定形によるバランス構成の練習

定形(矩形)と定形(4つの異なる大きなの円形)によるバランス構成の練習

定形の角度の変化によるバランス構成の練習



プロポーション
 バランスと同様、全体と部分の関係を考える。プロポーション自体の捉え方は、ほとんどが以下の4つ。
最も重要なのはどことどこを美しく関係づけるかということ。
等差数列(絶対値による構成)等比数列(相対値による構成)
ルート比、黄金比などは基本的な幾何造形の方法


コントラスト
対比・対照・対立といった2つのモノの関係を考える造形要素


Aは線と空間(余白)とのコントラスト
Bは線と線の角度や矩形に対しての位置などのコントラスト
C線と円、黒と白のコントラスト
このように要素のパラメーターを設定し、その変化や差をつくることが造形要素としてのコントラスト。

その造形的コントラストのパラメータは、
直線ー曲線  明ー暗  凸ー凹  暖ー寒
水平ー垂直  大ー小  重ー軽  硬ー軟
透明ー不透明  滑ー粗  厚ー薄  光ー闇
鋭ー鈍  高ー低  太ー細  上昇ー下降
集中ー放射  強ー弱  ハイキーーローキー
動ー静  プラスーマイナス  新ー旧  速ー遅 など

またそれら二つを対比的に結ぶのが、ダイカトミー(二分法)段階的に結ぶのがスケールシステム(段階法)。



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 様々な造形論があり、いろいろな造形の要素がある。造形要素としては、平面と立体の差はあまり無い。
様々な造形要素の中で、デザインで考える造形要素は、
加減乗除」「和差積商」で要素をつくるディビジョン(分割) .アキュムレイション(集積)、
あるカタチとあるカタチを「加減乗除」「和差積商」、「移動・回転・鏡映・拡大」で秩序をつくる システム。
全体と部分の関係あるいは要素と要素の関係を考えるためのバランス、プロポーションコントラストで、充分であり、他にいわれている造形要素もほとんどこれで説明がつく。実際のデザインでつかわれ、デザイナーが意識して使っているのはこれぐらいである。

これらは個別で行なわれているのではなく、これら全ての組み合せにより造形されている。
これらの造形感覚の習得は、与えられた課題を数多く行ない、練習するにつきる。つまり、練習・経験で身に付くことである。(しかし、始めは一人でやっても効果はあまりない)

またこれら要素間の関係は相対的か絶対的かでも大きく異なる。また、デザインの場合は主観性・客観性の他に間主観性の3つの観点から造形を考えることも重要である。

2008.11.12生活機器設計論・演習

課題「30kgの水を1km運ぶための道具」
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デザインにおけるモチーフという怪しげなもの


モチーフ motifは辞書(大辞林)では
(1)小説・音楽・絵画などで創作の動機となった中心的な題材。
(2)音楽で,ある表現性をもつ旋律の断片,または音型。楽曲を構成する最小単位。動機。
(3)模様の構成単位。
基本的には芸術が対象で、内的心象を表現するためのものあるいは内的心象を表現する動機となるもので、デザイン造形全体を言い表すものではない。

モチーフという表現で、言い表した時点で、「このデザインには客観性がなく、主観を多く示すもの」となる。主観を示すこと自体は問題が無いが、そのためには心的昇華や哲学的論理過程が必要ではなかろうか。

ましてや、デザインした結果とモチーフにおいて、モノとしての関係がない場合、「このデザインは○○がモチーフです」などということはもってのほかだろう。関係ないことを、あさはかなロジックで説明することは、自らのデザインを自ら卑下していることになる。デザインの現場やデザインの企画書、プレゼンテーション、論文でそれらを説明するためにモチーフで説明することはない。

引用や模倣工学として、生物や有機形態を分析し、解釈し、デザインにおける形態や造形のために、その要素を利用することはある。ただその場合「お○○をモチーフにしました」などということはない。モチーフにしたこと自体にはデザインの結果との関係がなにもなく、デザインを説明する上でなにも意味が無いから。このような説明を聞いたときは、カタチを創作していない人がそのような説明を使っていると理解すればいい。

さらに二重におかしなことは人工物の形態そのものをモチーフにするということである。機能工学的に決定されたたとえば「自動車をモチーフにしてこの形態を考えました」ということは、ほかの人工物の形態を盗んだだけで、モチーフでもなんでもない。要素を直感的に発見した場合、そのカタチがどのように決定されたか、というバックグラウンドやエンジニアリングや歴史性を検討した上で、その結果を自分の創造をもって、デザインに落とし込まなければ、ただのお絵描きになってしまう。
ともかく、いまどき「○○をモチーフにデザインしました」などというデザイナーはいない。いてもそのひとは、評価において、悲しい思いをするだけである。

2008.11.05生活機器設計論・演習

課題「体温計」
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体温計の原理
1.水銀体温計
テルモでは、1984年に水銀体温計の生産を中止して以来ほとんどつくられなくなっている。
より核心部に近い温度を測るために、わきの下や口の中で測るというわけです。熱伝導と膨張を利用し計測。

2.電子体温計
 電子体温計は、温度の変化により電気抵抗が変化する「サーミスタ」と呼ばれる温度センサー(半導体素子)の特性を利用して体温を測定。これが温められることによって変化した電気抵抗を付属のマイクロコンピュータが温度に換算してデジタル表示(図2)。電子体温計の測定方法には、「実測式」と「予測式」の2つがある。
3.耳式体温計
人体から放射される赤外線をセンサーで検出し、マイクロコンピュータが体温を算出。
赤外線は絶対零度(−273度)以上の物体すべてから放射されていて、物を温める。放射される赤外線の量は絶対温度(絶対零度を基準とした温度。単位はケルビン)の4乗に比例します。
 耳の中を使うのは、鼓膜とその周辺から放射されている赤外線を測定するためです。鼓膜の温度は、鼓膜が耳の奥深くにあるため外気温などの影響を受けにくく、また脳のすぐ側にあって温度が一定しているので、「核心温」に近いと考えられます。
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発想を妨げる3つの要因
ロジャー・フォン・イーク氏より(改

イデアキラー9(あとづけ外的制約)
①いい考えだ,でも……
②前にやってだめだった
③趣味にあわない
④時間がいない,カネがない
⑤反対されるに決まっている
⑥アイデアとしては面白いが,実現は難しい
⑦馬鹿なことを言うな。
⑧今のままでどこがわるいのか
⑨調査して,検討してみよう 

プレコンセプション9(先入観による内的制約)
①正解は1つ
②それは論理的でない
③ルールに従うべきだ
④現実的に考えよ
⑤間違えてはいけない
⑥遊びは軽薄だ
⑦それは私の専門外だ
⑧早く結論を出さなくてはいけない
⑨私には創造力がない

セルフ・レストリクション9(発想プロセスの心的制約)
①初めのアイデアに飛び付き,それに満足してしまう
②早まった結論に飛び付いて,はやとちりの判断をする
③早く結論を出そうと焦る
④意欲過剰での空回り
⑤堂々巡りに陥る
⑥効率にとらわれて,近視眼的結論に陥る
⑦黒か白か(あれかこれか)割り切りたがる
⑧慣れを引きずる
⑨プライドによる範囲限定

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発想のスタイル
高沢公信氏より(改)

固定観念や既存事実の見直し

4つの発想スタイル
 分節
 分類
 組み合わせ
 類比・類推

イデア
 ☆アイデアはデザインではない!!

***

デザイン カタチやシクミにする


***
 アイデアをデザインにしなければならない。
 アイデアをデザインにするためには。

○ソリューション 解決要因の積分
 解決すべき要素をカタチにしていく
○模倣工学・モチーフ
 既にあるものから、機能や意味からカタチをつくる
○ジオメトリー・スタイリング(数理造形、美学・哲学)
 意味や機能を与えられないが、カタチを決定しなければならない。そのためには極めて客観的な数理や内的心理の積み重ねや共通感覚をつかう

2008.10.22生活機器設計論・演習

課題「傘立て」
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・傘の形状・構造・構成を良く観察して考えてください。

・傘をさす、傘を保管する、などの行為から考えてください。

・個人のため、4人家族、公共施設、大学など場所による使い方を考えてください。

・そして、どういった範囲でアイデア展開していったらいいかを自分で探して、アイデアを出していってください。
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イデアスケッチは、
考えたこと・思ったことをカタチにして素早く書くことです。
また、考えや思いがなくても、まずカタチ(例えば、立方体や球など)を描くことです。自分の描いたカタチをみることで、視覚的な確認をしながら、自分の考えたこと思ったことを確認します。

つまり、アイデアスケッチは、アイデアではなくアイデアをとりあえずカタチにしてみたものです。