09.12.22 4,5限 統合新領域学府AMS専攻

アブダクション
 ・帰納法 Induction 個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする推論方法
 ・演繹法 Deduction 一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る推論方法である。
 ・発想法 Abduction ある個別の事象を最も適切に説明しうる仮説を導出する推論

 ○知識を生み出す仮説提示力がアブダクション
アブダクションとは、現象の集合“A”があったときに、「BならばA」を成立させる“B”という原則を思いつくこと。
 ○仮説提示力としてのデザイン
デザイナーは、アブダクションという推論でデザインしている。デザイナーはさまざまな要求を出来るだけ考え、その全てを満たすようなデザインとは何かと考える。それをかたちとして提示する。
 ○アブダクションプロセス
アブダクションの解が絶対に真であるとは証明できない。「仮説が受け入れられれば成功、だめなら失敗。つまり、デザイナーはマーケットと一緒にものを作っている。このプロセスがアブダクションプロセス。」
 ○アブダクション能力の向上
知識体系にどのような位相を導入するか、それを思いつくかがアブダクション
1993年10月講演「アブダクションとしてのデザイン」から。




ブレーンストーミング
 前回デザインの統合的な考え方を講義しました。また、記述と表現について簡単な演習を行いました。今回は、ブレーンストーミングにより、伊都と大橋で相互にやり取りしながら、「新しい免許証」を考え企画します。

ブレインストーミングの4原則
 批評・批判をしない(批判厳禁)
 粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
 量を重視する(質より量)
 結合し発展させる(結合改善)




インタラクションデザインの原則
認知心理学の基本原則がインタラクションデザインの基盤
例えば、
メンタルモデル、マッピングアフォーダンスなどである。
情報処理の観点から生体の認知活動を研究する学問認知心理学は、知覚・理解・記憶・思考・学習・推論・問題解決など人間の高
次認知機能が研究対象




Accessibility アクセシビリティ 
モノや環境は変更を加えなくとも、多くの人が利用できるようにデザインすること
聴覚へのフィードバック
視覚へのフィードバック
触覚へのフィードバック
非常時緊急時の対応システム
車椅子・要介護者などのアクセス
汎用性ボタン(両側と車椅子)
十分な広さ
手すり

エレベーターのアクセシビリティ
エレベーターの中に鍵のかかった扉は?
担架など人が寝た状態で乗れるための小さなスペース

車いす専用ボタンと、一般用ボタンの違いは?
扉の開放時間が長く設定されている

エレベーターの中に鏡は何のため?
車いすで、かごの中で回転ができない際、後ろ向きで出るときに後方を確認するため




エントリーポイント
デザインへの物理的入り口もしくは注意をひく箇所
 建物正面をガラス張りにして視界的な障壁をなくす
 展望ポイントをもうけ、巡回の方向付けと意思決定を助ける
 ガラスを用い、視覚的な障壁を最低限にする。
 小さなガラス製の階段は導入部としての、進行の促しと結界の役割を果たす。
 大きなガラスの階段は、また別の段階への導入として役割を果たす。
 製品は展望ポイントから明確に選択できるようにする

デザイン・モノへの物理的入り口・注意点
 最小の障壁 それがなにか理解できる。威圧・不安・不信などがない。
 展望ポイント 全体のシークエンスやコンテクストを感じる。
 進行の促し 一つの行為や行動が次を促す。プライミングエフェクト




展望と退避
 遮らない視界(展望)と、隠れたり難を逃れたりする場所(退避)を併せもつ環境が好まれる。




段階的開示
 任意の時点において、必要な情報または要求された情報のみを開示することにより、情報の複雑さに対処する方法。




アライメント 配列
 共通の横の列や縦の行にそって端が並ぶように、あるいは共通の中心に沿って真ん中が並ぶように、要素を配置すること




チャンキング
 数多くの情報単位を連結させて、限定数のユニットあるいはかたまり(チャンク)にし、情報を理解しやすく、記憶しやすくする方法
  情報の構造化によるチャンク
  情報の置換によるチャンク
  情報の分割によるチャンク




Error and Tolerance エラーとその寛容
エラー 意図しない結果をもたらす行為あるいは行為の脱落

スリップ 間違った行為をする
 行為 順番や手順の間違い。
 注意不足 注意散漫。失念。

ミステイク 間違った理解をする
 認識 理解不足
 意志決定 判断間違い
 知識 情報不足

寛容 エラーの防止とその時のマイナスを少なくすること
 アフォーダンス
 行為取り消し スリップでなくミステイクに対しても
 セーフティネット エラーを導く行為を行えようにするデザイン
 確認 重要な操作は特殊な行為で行うようにする
 ヘルプ




フィッツの法則
 目標にたどり着くまでの時間は目標の大きさと目標の大きさによる
 チェロキーの事例




フレキシビリティとユーザにリティの二律背反
 システムのフレキシビリティが向上するにつれ、ユーザビリティは低下する




干渉効果
 精神作用がそれと競合するその他の精神作用の影響を受けて、遅くなったり不正確になったりする現象
精神作用がそれと競合するその他の精神作用の影響を受けて、遅くなったり不正確になったりするという干渉効果の例
 ストループ干渉
  刺激の不適切な面が引き起こす精神作用。色と色名の不一致など。

 ガーナー干渉
  刺激の形の周辺に他の形がある場合。

 順光抑制
  以前の記憶が新しい類似記憶を抑制する。母国語の文法を新しい外国語に当てはめようとするなど

 逆向抑制
  学習が現存する記憶を阻害する場合。新しい電話番号を覚えると古い電話番号の記憶が阻害される場合など




プレグナンツの法則
 曖昧なイメージを、複雑でまとまりのないカタチではなく単純でまとまりがあり意味のあるカタチと認識すること





マッピング
 コントロールやそれによる動きと効果の関係のこと。それらがのマッピングが良いシステムは使いやすい。




メンタルモデル
 人間は、経験により培われた心的現象を元にして、システムや環境を理解したり、それに対処したりする。ABSの違和




方向感受性
 特定の方向の直線が、他の方向の直線よりも素早く簡単に処理され区別されるという、視覚処理の現象




近接効果
 近くにある要素同士は、離れている要素同士よりも、より関係が深いと認識される。




SN比
意味のある情報と意味ない情報の比SN比が高い方が望ましい




アフォーダンス
 アメリカの心理学者ジェームズ・ギブソン James J. Gibson(1904-79)が英語の動詞アフォード(afford=与える,できる)をもとにつくった心理学の用語。
 アフォーダンスは物に備わる性質である,と同時に,物と動物との関係の仕方,つまり物に触れる動物の行動によってはじめてあらわれてくる性質でもある。
 つまりアフォーダンスとは環境の性質であり,かつ動物行動の性質でもある。アフォーダンスは環境と動物が一体な存在であることをあらわしている。

生物が知る世界の「意味」は、すでに外界の客観的構造として存在しているという仮説。
情報は環境の中に満ちあふれており、生き物はその一部をピックアップしているという考え方





4 rule for a good design よいデザインの4原則 ドナルド・A・ノーマンが『誰のためのデザイン?』
 可視性 目で見ることによって、ユーザは装置の状態とそこでどんな行為をとりうるかを知ることができる。
 よい概念モデル 概念モデルは操作とその結果の表現に整合性があり、一貫的かつ整合的なシステムイメージを生む。
 よい対応づけ 行為と結果、操作とその効果、システムの状態と目に見えるものの間の対応関係を確定することができること。
 フィードバック ユーザは、行為の結果に関する完全なフィードバックを常に受けることができる。