2010.12.26 「REALITY LAB ― 再生・再創造」展

浅葉克己松井孝典+鈴木薫
「われわれはどこから来て、どこに行くのか。」
2010年、ポスター作品と隕石や火星儀等の展示物
遠い宇宙から地球にやってきた隕石の展示も含みながら、「われわれはどこから来て、どこに行くのか」に考えを巡らせるポスター作品12点。松井のメッセージを含み、浅葉がデザインしました。三宅がものづくりの未来について様々な人々と意見交換を重ねるなか、熟読していたのが松井の著書『われわれはどこへ行くのか?』でした。松井は私たちが、宇宙や地球という視点から人間そのものを俯瞰することの重要性を指摘します。

[期間限定特別展示]11月16日(火)〜28日(日)
小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)1/2模型


東レ株式会社 「東レ水なし平版」
印刷工程において水でインキをはじく「水あり」オフセット印刷とは異なり、版自体がインクをはじく特性を生かして、水を用いることなく印刷を行う「水なし印刷」。印刷時に発生する廃液量を圧倒的に少なくできるなど、環境に対する負荷が大きく軽減される画期的な技術として注目されています。また、インキが水でにじまないことから、高精細の仕上がりを得られるという特色もあります。本展ポスターの制作にあたり、4色分解された東レのシリコン素材の印刷版を紹介します。


帝人ファイバー株式会社 「エコサークル®
地球環境や資源の今後を考察する一例として、テイジンの循環型リサイクルシステム「エコサークル®」のプロセスに目を向けます。古着を含めたポリエステル製品から、純度の高いポリエステル原料へ。従来のリサイクルとは異なり、石油から製造するものと同品質のポリエステル原料(DMT)の再生を可能としたケミカルリサイクルについて紹介します。


米本直樹×平野まゆ/テムジン+浅葉克己
「『再生・再創造』 その先に、何が見えるか」
2010年、映像ドキュメンタリー
糸の開発から生地が織られ、服がつくられ人々が身につけるまで。繊維製造工場や織物産地を始めとする産地にも改めて目を向け、人々に喜びをもたらすものづくりに挑む、日本各地の製造の現場をとらえたドキュメンタリー映像。
Reality Lab Project Teamの活動プロセスを軸に制作された本展のための映像作品です(約25分)。


三谷 純+WOW
「Spherical Origami(スフェリカル・オリガミ)」
2010年、立体造形(立体折り紙)と映像によるインスタレーション
先端技術を身近な造形美として表現している三谷の立体折り紙から、新作を含む8点を紹介。いずれも、コンピュータを用いることで設計が可能になった造形で、各作品が1枚の紙から生み出される様子を、WOWの映像インスタレーションとして展示します。三谷がこれまで手がけてきた立体折り紙の試作品約300点や、最近の研究の一部も紹介します。


三宅一生+Reality Lab Project Team
「132 5. ISSEY MIYAKE
2009年〜、衣服
「132 5. ISSEY MIYAKE」の名前には、一枚の布が立体(3次元)になり、再度平面(2次元)になり、それを身につける人との出会いによって、時間や次元を超えた存在となっていく(5次元)......との思いが込められています。三谷 純が開発したソフトウエアを用いて、立体造形を制作。それを上からたたむようにして、再び平面に。その折り線を生かしながら服がつくられます。素材はテイジンの再生ポリエステルに、さらに改良を重ねました。


「IN-EI ISSEY MIYAKE
照明器具プロトタイプ
Reality Lab Project Teamでは「132 5. ISSEY MIYAKE」のほかにも様々な研究、開発が進んでいます。そのひとつが、「132 5. ISSEY MIYAKE」と同じ折りのパターンを用いた照明器具の開発です。素材は再生ポリエステルペーパー。構造体を持たずに、折りのみで造形がつくられているのが特色です。折りがもたらす光の表情、陰翳(いんえい)から、「IN-EI」と名づけられています。様々な形状の照明器具のプロトタイプを紹介します。


パスカル・ルラン
「SIMPLY UNFOLDED(シンプリィ・アンフォールデッド)」
2010年、映像作品
折りたたみの数理を用いた全く新しい服づくりの方法、さらには同一の「折り」パターンを、組み合わせ、応用することでジャケット、スカート、パンツなどに様々に展開していく「132 5. ISSEY MIYAKE」の特色を、パスカル・ルランが得意とするスタイルで、視覚的にシンプルで明確にみせていきます。



アリック・レヴィ 「フィクシング・ネイチャー」
2010年、インスタレーション
骨折した腕にギプスをはめるように、丸太や木の幹を医療用ギプス包帯で固定し、新たな次元への変容を探る「フィクシング・ネイチャー」を展示。シカゴ、ライトギャラリーで行われた「absent nature(自然の不在)」(08年)から始まったシリーズです。木と木をギプスで組み合わせることで、レヴィは、新たな生命、新たな思考を生み出すきっかけを提示します。



岩崎 ? 「CAS-01」-「CAS-07」
2010年、写真作品
高い技術力を背景に、独創的なものづくりを目ざす国内企業の製品から、岩崎が特に関心を持つ「食の未来」に関わる一台の機械に注目、その機能を活かしたスティルライフ写真に挑みます。被写体は株式会社 アビーの開発による、ダメージを最小限に抑制し、鮮度や味を維持する画期的な手法「CAS(Cells Alive System)フレッシュ技術」を使って、生きた細胞の様態で凍結させた野菜や魚などの食材です。



REBIRTH PROJECT
「NEW RECYCLE MARK(ニュー・リサイクル・マーク)」
2010年、映像(ムーヴィングロゴ)のインスタレーション
「リサイクルのあり方」をとらえ直したリサイクルマークの提案。矢印がサークル状に繋がるリサイクルマークのデザインはすでに社会に定着していますが、REBIRTH PROJECTでは今回、「BEYOND RECYCLE」の視点で、新しいリサイクルの概念を象徴するマークをムーヴィングロゴとして5作品制作。「まずはチャレンジとして行動に起こし、前向きで良質な循環をクリエイトしていく」と述べるREBIRTH PROJECTならではの作品です。

http://www.2121designsight.jp/program/reallab/works.html