2008.08.21 IHシステムキッチン

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 開発チームは、IHヒーターを作っている松下HA社と協力して試作品作りに取りかかる。IHヒーターを開発する側からすれば、今まで三角形の配置をベースにして、機能や回路に関する技術を蓄積しており、配置を変えるには一から設計をやり直す必要があった。しかし、実際にカウンターの奥側に3つのヒーターを横一列に並べた試作品を使ってみると、他の鍋がじゃまになることもなく、3口同時に使えるので調理作業の効率が向上することが確認できた。

 さらに、単に3口同時に使えるというだけでなく、ヒーターを横一列に配置することで、想像以上に多くのメリットが得られることも分かった。特に、手前側にできた幅約16センチのスペースは、調理の段取り向上に大きく寄与している。まな板を鍋の手前に置き、下ごしらえをしながら調理したり、皿を並べて、できあがった料理をその場で盛りつけたり、従来のキッチンにはなかったスタイルで、調理作業をこなすことができる。揚げ物の素材を並べ、衣を付け、揚げ上がったものの油を切るといった一連の作業が、鍋の前でスムーズにこなせるのは、手前側にスペースができたからこそ。まさに「サッと作れる」新発想のキッチンが誕生したといえる。

http://www.business-i.jp/product/bld/200808220001p.nwc

ヒータ コンロの配列を単純に変えただけとは言いがたい商品。これまでの常識やルーチンワークへのほんの少しの疑問を抱き、ほんの少しの意思決定で開発されたすばらしい商品・商品開発デザインである。人間工学や機能設計からだけではうまれづらいほんの少しの発想からなるまじめな気持ちいいデザイン。その発想に対してさらなる機能工学やデザイン設計をもりこんで、美しく機能的に幾何でまとめた心地いいデザインの好例。

この「リビングステーション」の寸法を幾何的に分析し、人間工学的動作寸法領域と比較しなさい。